溺愛〜ラビリンス〜
電車に乗ってしまった事、柚ちゃんが言っていた言葉、今爽が電車を追いかけている事を報告を受けた。
頼む爽、柚ちゃんに追い着いてくれ。
電話を切り、俺の報告を待ちじっとこちらを見ている翔真に、今聞いた事を話す。
翔真はホッとした表情の後、やはり逃げて行った柚ちゃんの事を思い辛そうに顔を歪めた。
「どうする向かう?」
「……あぁ…」
少しでも柚ちゃんの近くに行きたいのだろう。そして早く柚ちゃんに会いたいんだろう。
「すぐ車用意させる。俺は此処で指揮をとるから。」
それだけ伝え下の奴等に車の準備をするように指示を出しに部屋を出た。
部屋に戻って来ると翔真の姿がなく、探そうとしていると総長室から出て来た。
着替えてたのか…
「すぐ用意できるって。」
「あぁ…」
翔真は返事をしてそのまま出て行った。
これで柚ちゃんが捕まらなかったら、翔真はどうなるのか…暴れられるのも大変だけど、落ち込んで寝ない食べないも困るな…
何とかこの状況を打開しないとうちのチームにとっては命取りになりかねない。