溺愛〜ラビリンス〜

何せ、柚ちゃんが傍に居ないとうちの総長様はダメなんだから…柚ちゃん早く翔真の所に戻って来てよ。
今敵対するチームに攻め込まれたらうちはもたないよ。翔真があんな状態じゃぁね…





翔真が出かけて一人幹部室にいると着信音が鳴る。笠原からの電話から丁度1時間位経っている。爽からの電話だった。
どうなったんだ?逸る気持ちを抑え電話に出た。


「はい…爽、どうだった?」


『ゴメン渉…』


ダメだったか…


「今何処?翔真が向かったから出来れば合流してくれ。」


『分かった。今S県との県境のI駅だ。で…ユズユズなんだけどずっと各駅を回ったんだけど、電車に上手く追い付けなかった。結局、県境の駅まで追ったけど逃げられた。』


「そうか…」


『電車はS県に向かって行ってしまって、ユズユズが乗ってたかも確認できなかった…ただ各駅で降りた人間は確認させたけど、降りてないようだから電車に乗っていたと思う。』


「分かった。柚ちゃんの事はS県の王龍に協力を要請した。王龍からの連絡を待っている状態だ。翔真と合流して戻って来い。」


そう言って電話を切った。




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