溺愛〜ラビリンス〜
「えっ?えっと…駅近くのファミレス。」
「何処の駅だ?」
「ちょ、ちょっと遥?」
どうしたの?何でそんな低い声で怒っているのか分からず混乱する私に有無を言わせない遥の命令が続く。
「答えろ。」
「……K駅だよ。」
「何でこっちに来るなら連絡しないんだ!」
遥は私が居なくなったと思って心配していたの?怖いと思った遥の様子も嬉しく感じてしまう。
「ゴメンね。でも色々事情があるの。それで電話したの…」
「…ハァ。で、事情って?」
遥が呆れた様な口調だから言いづらいよ…
「実は今柚ちゃんと一緒なの。それで…」
詳しい事は遥にも言えないけど、言える範囲で話しをした。
遥と話しが済んで柚ちゃんの所に戻った。
「柚ちゃん、遥がこれから迎えに来るって…だから大丈夫だよ。」
「有希…ありがとう…ゴメンね?色々迷惑かけて。」
「…柚ちゃん迷惑なんかじゃないよ。私達親友でしょ?私だって遥の事で柚ちゃんに迷惑かけたでしょう?おあいこだよ?」
私が言うと柚ちゃんはやっと笑顔になる。
「うん。ありがとう!有希…」