溺愛〜ラビリンス〜
「「ッツ…」」
事の大きさに私も柚ちゃんも息を飲んだ。
「そんな…」
ただ親友を助けたいだけなのに…何でそんな大事になるの?
「これが逆の立場で、有希が俺に何も言わず行方不明でブラックホークスに居たら、俺は戦争仕掛けてお前を取り返すぞ?」
「は、遥…」
遥の目が真剣で冗談で言ってるんじゃないって事が分かって怖くなる。
「だから何も聞かず匿うなんて事して、後々大事になった時困るのはお前達だって同じだ。チームが戦争になったら、姫は今まで以上に自由はなくなる。そして敵チームの姫と仲良くなんてできなくなる。」
遥の言葉に柚ちゃんは大きく目を見開く。そして俯いてしまった。
「ゴメンなさない…私、此処に来ちゃいけなかった…すぐ出て行きます。」
小さい声で柚ちゃんが言った。
「いや柚姫ちゃんには有希の事で世話になってるし、困っている時に助けるのは当然の事だからいいんだ。でも何で兄貴にも行方を言えないんだ?理由を教えて欲しい。」
遥の質問に躊躇している柚ちゃん。どうすればいいんだろう。