溺愛〜ラビリンス〜

折沢 渉 side


都築から柚ちゃん発見の連絡を受けた翌日、明日に控えた柚ちゃん捕獲の為の打ち合わせで俺は都築に電話をかけた。


『はい…』


「折沢だ…」


俺が一言言うと都築は待っていた様子で話し始める。


『あぁ…こっちは既にチームに通達を出した。明日ブラックホークスがS県に入るのに問題はない…」


都築は少し言い淀んだ後聞いてきた。


「…それより…昨日は言わなかったが……柚姫ちゃんがもうブラックホークスの姫でいられない。お前達にもう会わせる顔がない…って言って泣き出してしまったんだが…可哀想でそれ以上聞かなかったが…一体何があったんだ?』


「ッツ…そうか…」


都築の話しに俺が言葉に詰まっていると


『本当にそっちに帰して大丈夫なのか?』


心配そうに都築が聞いてきた。


「分かっている…だがこれはうちのチームの問題だからこちらで何とかする。悪いが、この件に関してはこれ以上首を突っ込まないでくれ…色々動いて貰って申し訳ないが、姫の傷を更に広げる事は避けたい。頼む…」



『…分かった。そっちに帰して大丈夫なんだな?』


再び同じ問いをする都築に


「あぁ。」


と答えた。




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