溺愛〜ラビリンス〜

そして翔真がユズ姫に優しく声をかける。


「柚帰ろう。俺達は全部分かった上で迎えに来たんだ。だから大丈夫だ心配するな。柚の事は俺が守る。」


そう言ってユズ姫の手を握り締め立たせる。


「…翔兄ぃ…私…」


ユズ姫が言いかけた言葉を翔真は遮った。


「いい…何も言うな…言いたい事は何でも聞いてやる。でも帰ってからな?」


立ち上がったユズ姫の頭を撫でながら優しく言った。


ユズ姫は翔真にコクリと頷くと、都築と王龍の姫の方を向た。


「遥くん、有希…迷惑かけてごめんなさい。やっぱり私は此処に居ちゃいけなかったね…ごめんなさい。」


頭を下げるユズ姫に王龍の姫はまだ涙の残る顔を歪めて首を横に振った。


「ううん。柚ちゃん何も力になれなくてごめんね…」


「これからどうなるかわかんないけど私帰る。私のせいで戦争なんてさせられない…遥くんごめんなさい。有希ありがとう。」


そう言ってユズ姫は翔真と一緒に歩き出した。

渉と都築が微かに目を合わせていた。作戦終了という事だろう。


姫を無事にチームに連れ戻す事ができた。
二人の後を着いて行く俺達三人はホッとしてみんな笑顔になっていた。





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