溺愛〜ラビリンス〜
三浦 柚姫 side
王龍の倉庫に来てお世話になり3日目、有希が気分転換をさせようとしてくれて食事に誘ってくれた。
正直迷ったけど有希の気遣いが嬉しかったし、倉庫の部屋に缶詰め状態に息がつまりそうだったから思い切って出かける事にした。
それがこんな大騒ぎになるなんて思いもよらずに…
有希と遥くんと来たのはこの前とは違うファミレスだった。
奥の方の席につきメニューを決め、話しをしているうちに食事が運ばれてきて半分位食べた時だった。
「姫!」
私を呼ぶ聞き覚えのある声に動揺して持っていたナイフとフォークを落としてしまった。
ガチャン!
「ッツ、…笠原くん…」
席を立ち上がろうとする私に笠原くんが素早く静止する。
「逃げないで下さい。今逃げたら匿った人達にも迷惑かかりますよ?」
笠原くんの言葉に動きが止まる。
「そんな…」
余りの言葉に衝撃を受け言葉が続かない…
「もうすぐ総長達も来ます。大人しく待って下さい。」
翔兄ぃが来る?更に衝撃を受けて、私は何とかこの場から逃げないとと焦る。……翔兄ぃに会うなんてできない!そう思ったら必死に頼んでいた。