溺愛〜ラビリンス〜

「…柚ちゃん…気持ちは分かるけど、これは柚ちゃん一人の問題じゃないんだよ?」


そう言うと渉くんは、遥くんの方を向き低い声を出す。


「都築…どういうつもりだ?うちと戦争するつもりか?」


その声に私と有希はビクッと肩を揺らし真っ青になってしまう。
この前遥くんが言っていた通りだ…どうしよう。私が王龍に来てしまったから遥くんが責められてしまって、ブラックホークスと王龍が険悪な状況になってしまった。
誰も悪くないのに…
私が油断していたからあつくんとあんな事になってしまった。私が弱いから逃げ出してこんなに多くの人を巻き込んでしまった。全て私のせいだ…涙が込み上げてくる。


「渉くん…ちがっ…違うの。」


何とか誤解を解かないと…必死に説明するけど渉くんは許してくれない。


「柚ちゃん言い訳は都築から聞く。うちの姫を返さないって言うならそれなりの制裁をする。」


いつも優しい雰囲気の渉くんからは想像できない威圧感で、言葉を遮られてしまった。





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