溺愛〜ラビリンス〜

「そんな…」


私が何を言ってもどうにもならない状況にもうどうして良いのか分からない。


「柚を返さないと言うなら戦争だ。」


私が俯いてしまうと、翔兄ぃの低い声が聞こえてきた。翔兄ぃが怒っている。こんな事初めてだ。いつも翔兄ぃは優しいのに…
でもそんな駄目だよ。遥くんは悪くないのに!


「翔兄ぃ…違うの。お願い!止めて!遥くんは何も悪くないの。」


何でもするから兎に角戦争なんて止めてもらわなければ…私は必死で訴えた。


「ユズ姫、他所の姫をそのチームに無断で連れ出せば、拉致と言われても言い訳できない。今、都築はそういう立場だ。」


健人くんが厳しい口調でピシャリと言う。


「こんな事が起きたんだ都築には今後G県には立ち入らせる訳にいかないな…」


爽くんも厳しい事を言う。


「ッツ…」


私が悪いのに…


「どう落とし前つけんだよ!」


健人くんが都築に怒鳴った。有希も泣いていた。 有希ごめんね。




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