溺愛〜ラビリンス〜

倉庫に着くと凌と沢田、吉井が出迎えていた。渉が連絡したんだろう。


「翔真、ユズ姫は?」


意識のない柚を見て心配した凌が聞いてくる。


「大丈夫だ。疲れて寝ただけだ。」


俺が言えばホッとした表情の三人。


「…兎に角、無事連れ戻せて良かった。」


凌はそう言って俺達を中へ入れる。


健人が沢田と吉井に報告を受けているのを横目に幹部室へ向かった。




部屋に入ると柚を奥の総長室に寝かせる。


ベッドに寝ている柚の額にキスをして幹部室に戻る。



既に爽は部屋にいて、健人が部屋に入って来た所だった。


「柚ちゃん車で寝ちゃって良かったかも…」


「渉?」


「白王子の事なんだけど…柚ちゃんに会わせて欲しいって言ってきた…」


「「「ハッ?」」」


俺と健人、爽の声が重なる。


凌は知っていた様で話しを続ける。


「翔真達が帰って来る前に連絡がきた。ユズ姫が戻って来るまではそれ所じゃなかったから、渉以外には報告しなかった。」


「ふざけんな!ユズユズにあんな酷い事しといて何が会わせろだ!」


爽が怒鳴る。




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