溺愛〜ラビリンス〜

「爽、落ち着け?」


凌が爽に言葉をかける。

「そうもいかないだろ。少しも反省してないんじゃないか!」


爽の隣にいる健人も怒りを露にした。
実際あのお坊ちゃんは何を考えているか分かんねぇからな…


「チッ」


俺は舌打ちをして煙草を吸い始める。
アイツ気持ちなんて知ったこっちゃねぇ。ただ…また柚に危害を加わえる様な事は避けたい。


「それで…今後の白王子への対応だけど、どうするか今日のうちに決めておきたい。」


渉が冷静な声で俺達に話しを促す。


「今の柚は混乱している。この状況で鷹宮に会わせるのは無理だ…」


俺は平静を装って言う。爽と健人が同じ考えだと言う様に頷いた。


渉がため息をついて


「まぁ…今日の柚ちゃんを見たら白王子に会わせるのは無理だと思う。」


と言うと健人が突っかかる。


「だったらなんですぐ断らねぇんだよ!」


「健人、止めろ!渉だって分かってるんだよ…だけどユズ姫とアイツは同じクラスだ…アイツに対する制裁もそうだけど、チームとしてユズ姫の為に今後の事を決めておかないといけないだろ?」


確かに凌の言う通りだ…同じクラスである以上、ずっと会わせないという訳にはいかない。





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