溺愛〜ラビリンス〜
「…取りあえず、柚が落ち着くまでは学校は休ませる…数日はここに置く。この状態で柚を母さんに会わせらんねぇからな…」
「…分かった。」
渉はそう言うと爽達の方を向く。
「柚ちゃんがここに泊まる間、特別警護体制を組む。」
渉の指示に爽達は了承の返事をした。
警護は幹部二人と小隊長クラス二人、下の奴を30人で編成した。
警護が決まった所で凌が俺に言い辛そうに言う。
「それで…白王子の事だけど…チームとしての対応はどうする?坂本との約束もある。いつまでもこのままという訳にいかない…」
「そうだな…」
「翔真はどう考えてるんだ?」
「…本当はもう二度と柚に会わせたくない…でも…そうもいかねぇだろ?」
俺にそう言うと爽が不満そうに聞いてくる。
「じゃぁどうすんだよ?」
正直どうすんのが一番良いのか分からねぇ…でも…まずは鷹宮と俺が対峙しないとならないだろう。
「…渉、明日鷹宮を呼び出せ。明日、柚には知られない様に俺達だけで済ませる。みんなも良いな?」
「「「「…分かった。」」」」
そして渉は携帯を持ち、部屋を出て行った。