溺愛〜ラビリンス〜
ドアを大きく開けると柚ちゃんの泣き声が聞こえてきた。
やはりまだ現実を受け止めらないんだろう。
少しして凌が部屋に入って来た。何か察したのか
眉間に皺を寄せ聞いてくる。
「何かあった?」
俺が柚ちゃんの様子を話していると健人と爽が来た。やはりみんな柚ちゃんの事が心配なんだろう…
まぁ、俺と翔真だって余り眠れなかったし…
それから30分位して翔真が総長室から出て来た。
俺もみんなも心配顔で翔真をみる。
「翔真どうだ?」
俺が代表して聞けば翔真は深くため息をついた。
「目が覚めて倉庫に居た事にパニックになったみたいだ…柚の中ではまだ何も解決してないから…俺の顔見て余計にパニックになったみたいで…死にたいって泣き叫んで、凄い興奮して…泣き疲れて寝た。…しばらく柚から目を離せない。そのつもりで警護頼む。」
翔真の言葉に俺達は頷いた。
柚ちゃんの心の傷はやはり深い様だ…翔真も柚ちゃんの様子を見て同じ事を思ったんだろう…そして心を痛めている。そんな翔真の気持ちが長い付き合いだからよく分かる。
翔真が言う様に今は柚ちゃんから目を離せないな…