溺愛〜ラビリンス〜

もし柚ちゃんに何かあったら、翔真は白王子を絶対許さないだろう。

今だって許した訳じゃないが、自分の所に柚ちゃんが戻って来たから何とか冷静に努めているだけだ。本当…白王子を殺し兼ねないよ…

それに…守れなかった自分の事も許さないだろうな…
そんな事を思いながらコーヒーを淹れ直しみんなで飲んだ。


白王子との約束の時間が近づいた。


屋上には翔真と俺、凌、健人が行く事になった。

爽は小隊長達と一緒に柚ちゃんの護衛をする事に…護衛する親衛隊には絶対に柚ちゃんから目を離さない様に念を押した。
こっちも大変だけど、お前達の方だって相当重要任務だからな…


頼むぞ。翔真が鬼みたいになったら止められないからな…ある意味お前達の方が俺達より重要なんだ。

柚ちゃんの事を心配しながら学校へ向かった。





学校に着くと授業中だから屋上までの道のりは誰も居なくて静かだった。



屋上に着くと白王子は既に来ていた。


「逃げずに来たな。」


俺が声をかければ


「僕は逃げない。」


白王子はこちらを睨みつけてくる。


「いい度胸だな?」


翔真が低い声でそう言うと白王子を睨み返した。



< 171 / 671 >

この作品をシェア

pagetop