溺愛〜ラビリンス〜

唇を噛み締めて翔真を見る白王子。翔真は白王子に冷たい視線を向けどめを刺すように言い放つ。


「そういう事だ…お前に柚を渡す事はないからムダな努力はよせ。」


翔真の言葉に白王子はキレて翔真に向かって殴りかかる。翔真は軽くかわし白王子の頬を殴る。

よろける白王子は切れた唇を拭いながら翔真を睨みつけまた向かって行く。

バキッ翔真の拳が白王子の頬に入る。


「お前みたいな奴に渡す為に今まで柚を守ってきた訳じゃねぇ!」


そう言うと白王子の腹に蹴りを入れる。


「お前が何を考え様と思おうとお前の好きにはさせねぇ…」


翔真はそう言うと白王子の腹を数回殴り、俺でも震えあがりそうな恐ろしさを感じる妖艶な笑みを浮かべる。


「俺から柚を奪おうとするなら殺す!」


そう宣言して痛みに横たわる白王子の脇腹に最後に蹴りを入れた。


「ウゥッ…」


呻く白王子を横目に翔真が俺達に声をかける。


「凌、健人…悠斗との約束だ…コイツを悠斗の所に送り届けろ。」


二人が返事をすると、翔真はそのまま屋上を出て行った。




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