溺愛〜ラビリンス〜

「怒るなよ。悪かった…」


俺達がこんなやり取りをしている間に車は走り出し倉庫へ向かった。






倉庫に着くと俺と凌は運転手の水谷に声をかけ車を下りた。外に出ると下の奴等が挨拶をしてくる。


「お疲れ様です。」


「お疲れ。」


挨拶を返し中へ進み、幹部室に入ると翔真、渉、爽がソファーに座っていた。


「お疲れ。どうだった?」


「お疲れ…」


声をかけてくる渉に挨拶を返しソファーに座る。


「ユズ姫は?」


ここに居ないユズ姫の事が気になって聞く。


「大丈夫だ。留守中も特別問題なかった。」


爽が答えにホッとして深くソファーに座り込み背もたれに体を預ける。


「そうか…」


「報告を聞く。」


翔真が口を開いた。


「あぁ…坂本の指示でマンションに白王子は送った。」


「チッ」


さっき工藤の事を思い出し舌打ちする。


「どうかした?健人。」


渉が俺の様子を不審に思い聞いてくる。俺の代わりに凌が答える。




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