溺愛〜ラビリンス〜

「それで?」


俺が淳稀に先を促すと、視線を俺に戻して悔しそうに話し始める。


「僕…兄妹じゃないって聞いて取り乱してしまってキングに殴りかかったら、逆にボコボコにやられた…」


「…お前バカだな…俺だって翔真に喧嘩を売るなんて長い付き合いの中でないぞ?」


俺の言葉に淳稀は一瞬にして激昂する。


「頭に血が昇ったんだよ!」


いつもの白王子らしからぬ台詞を吐く淳稀に思わず吹き出してしまう。


「プッ!」


そんな俺を見て呆然とする淳稀、龍也、大輝…


「お前…完全にその台詞…俺が普段言う様な台詞だよな?お前のキャラじゃねぇだろ?」


俺が言うと淳稀は顔を赤らめる。


「僕だってこれ位の事言う時だってある!」


怒鳴る淳稀を宥めるように俺も話し始める。


「…そうか…でもな翔真が兄かそうでないかってのはあんまり関係ないぞ?少なくとも俺は今までそう思ってきた。」


俺の言葉に淳稀は目を丸くして吐き捨てる。


「でも兄だったら安全牌だ…」


「お前…あの翔真が安全牌に見えてたのか?」


そりゃ完全に翔真の事を舐めすぎだろ…






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