溺愛〜ラビリンス〜
「悠斗…」
「いいか?どんな理由があったとしても、柚を傷つけたって事は変わんねぇんだよ…お前はそれを肝に命じて柚に償え。分かったか?」
俺の言葉を聞いた淳稀の顔にもう不安の色はなかった。覚悟のできた表情で俺を見る淳稀…
「…分かった。」
「二度目はねぇぞ?本当は俺は…翔真だって、お前の事殺したい程、腹が立ってる。俺も今回、組を出さないのは翔真と同じだからだ…これ以上柚を傷つけたくない。それだけだ…それを忘れんな。」
「悠斗…お前…」
淳稀はそれ以上言葉が出ない様だった。
「お坊っちゃんは打たれ弱いって言われたくなきゃきちんと考えろ。」
「お坊っちゃんか…悠斗やキングから見たら、僕はそうなるのかな…」
淳稀はかなり堪えてるようだった。ここからは自分で考えて苦しむしかない…
「俺の制裁は終了だ。」
「えっ?」
驚いた表情で俺を見る淳稀に
「俺はお前のマンションでかなり殴ったからな…それに翔真にもやられてこれ以上殴られたら、白王子の顔じゃなくなるだろ?元に戻らなくなっら困るだろ?」
そう言うと淳稀はフッと笑って立ち上がり部屋を出て行った。淳稀の後ろ姿を見ながら俺はため息をついた。