溺愛〜ラビリンス〜
「でもね?翔兄ぃ…私は…もうここに居て姫をできない…ッツ」
「柚…それは鷹宮のせいか?鷹宮の事があるから言ってるのか?」
翔兄ぃの問いに答えられなくて俯いてしまう。
「分かった…お前が前の通りに戻れるならアイツを殺る。」
下を向いているのに翔兄ぃの凄まじい殺気を感じた。私は顔を上げ翔兄ぃと視線を合わせる。翔兄ぃは本気だって悟った。
「翔兄ぃ…やっ、止めて…」
「お前を今まで通り守るのが俺の役目だ…今まで通りにできない原因は…排除する。」
怖い程、冷静な声で言う翔兄ぃを止めなきゃいけない。
「翔兄ぃ…そんな事しなくて良いよ…大丈夫だから…私大丈夫だから…ね?」
「柚…姫でいるか?俺の隣にいるか?」
「翔兄ぃは…それを望むの?私がここに居て困らない?」
「俺はそれ以外望んでない…」
翔兄ぃは迷いない声でキッパリと言った。
「…翔兄ぃがこんな私を姫として望むなら…翔兄ぃがそれがそれでいいなら今のままでいる。でも…他に姫に相応しい子が居たら…姫になってもらって?」
私は翔兄ぃを真っ直ぐ見据え言った。