溺愛〜ラビリンス〜
「大丈夫だよ。翔真というより柚ちゃんに用だから…」
笑顔の渉くんに翔兄ぃが 舌打ちした。
「チッ」
「翔兄ぃどうしたの?」
さっきまで機嫌良かったのに…どうして?
「翔真…柚ちゃんと話しできたんだろう?柚ちゃん少しを話したいんだけど…大丈夫かな?」
渉くんの言葉に翔兄ぃは心配そうに聞いてくる。
「柚…大丈夫か?話しできないならまた今度でも良いんだぞ?」
「大丈夫だよ。渉くん達と話すのは…大丈夫。ごめんね?心配かけて…」
私が言うと翔兄ぃはホッとした様な表情をする。
「そうか…じゃあ、向こうに行こう。」
私の手を取り歩き出す。
幹部室に行くとみんな揃っていた。
「ユズユズ!翔真にいじめられてない?」
爽くんが言うと翔兄ぃが
「誰が柚をいじめるんだよ?」
と言って爽くんの足を蹴った。弁慶の泣き所にヒットしたらしく、爽くんは涙を溜めて足を擦り
「痛ェ!」
と叫んで翔兄ぃを睨んだ。
「爽くん大丈夫?」
私は駆け寄り爽くんに声をかけたけど、すぐに翔兄ぃに引っ張られていつものソファに座っていた。