溺愛〜ラビリンス〜

「柚ちゃん爽は大丈夫だよ。」


渉くんが笑顔で言うけど…


「大丈夫じゃねぇよ!」


爽くんは不満そうに涙目で睨んで怒っている。渉くん…爽くん大丈夫じゃないって言ってるのに…笑顔で大丈夫ってなんだか翔兄ぃより酷い気がする…

そんな事を思っていると健人くんが話しかけてくる。


「ユズ姫…今、笑顔で大丈夫って言った渉の事酷いって思っただろう?」


えっ?私、口に出して言っちゃったの?慌てて口を手で塞ぐ。


「柚…言ってないぞ?」


翔兄ぃが隣から私の疑問に答えをくれる。
言ってないの?じゃあ…どうして分かったの?私がまた疑問に思っていると、今度は凌くんがクスッと笑いながら教えてくれる。


「ユズ姫…顔に書いてあるんだよ…」


凌くんの言葉にビックリした私は


「えっ!」


慌てて顔を手で隠す。


「柚…大丈夫だ。本当に書いてある訳じゃない。顔に思った事が出ているだけだ。それでみんながお前の考えている事が分かったんだ…」


私アワアワとしている隣で翔兄ぃが冷静な声でまた教えてくれる。
そうなの?でもそれって…私考えたり思っている事がみんなに全部バレちゃうって事?




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