溺愛〜ラビリンス〜

爽くんはそう言うけど…何か納得できず


「じゃ、爽くんもみんなに考えている事バレて良いんだね?」


「それは…困るかな?」


爽くんは顔を引きつらせた。他のみんなも私の言葉に思いっきり反応していた。

飲んでいるものを吹き出す健人くん
キーボードを打っていた手を止めて固まる凌くん

そして渉くんは…


「柚ちゃん…みんな爽の頭の中なんか見たくないんだよ?大体考えてる事は分かるけどね…」


と言って口に手を当てて笑いを堪えている。

えっ…それって、爽くんの考えてる事もみんな分かってるんじゃない!


「爽くん…爽くんも正直者なんだね…」


私が言うと渉くんは堪え切れず吹き出した。健人くんに至ってはソファの上で悶えながら大笑いしている…

何故?私は翔兄ぃをジッと見つめ答えをくれるのを待った。翔兄ぃは困った顔をして私に説明をする。


「柚…爽は正直者なんじゃない。単なるバカだ…」


単なるバカ?どういう事かますます分からない私は首を傾げている。


「ひっでぇな!誰がバカだよ?それなら健人だって同じだろ?」


と爽くんが怒鳴った。




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