溺愛〜ラビリンス〜
健人くんも同じなの?私がそう思っていると健人くんの怒鳴り声が響く。
「何で俺が爽と同じなんだよ!」
「おい…柚が混乱してるからもう止めろ!」
二人の言い合いに翔兄ぃが少し怒った声で仲裁する。
「柚ちゃん…あのね…俺達はいつも一緒にいるし、お互いの考えてる事が分かるから信頼関係が成り立ってるんだよ…だからお互い大体どんな事考えてるか分かるんだ。分かった?」
渉くんの説明になるほど…と思って…気づく。
「渉くん…私はみんなが考えてる事とか、たまに言ってる事が分からない時があるの…それは…信頼関係が築けてなかったんだね…」
私の言葉に部屋の中の空気が変わったのが分かった。
「柚ちゃん…それはね…」
焦る渉くん…顔を引きつらせている爽くんと健人くん。凌くんはため息をついている。私何かまずい事言っちゃったのかな?心配になって翔兄ぃを見ると視線が合う。
「柚…大丈夫だ…お前は何かあれば、俺やみんなが守ってくれるって信じてるだろ?」
翔兄ぃが優しく聞いてくる。
「うん。」
「それは柚が俺達の事を信頼しているって事だろ?」