溺愛〜ラビリンス〜
キングの告白

三浦 翔真 side


総長室から物音がしたのを聞き慌てて柚の元へ向かう。


部屋に入ると、柚が朦朧としてベッドで横たわっていた。俺の顔を見ると一瞬驚いてすぐ悲しそうな顔になる。そして激しく拒絶をして叫んだ。


「イヤ…一人にして!来ないで!」


俺は柚を落ち着かせ様と冷静を装おって話しをする。


「柚…大丈夫だ…」


「イヤ!もうやなの!死んじゃいたい…遠くへ行けないなら…死にたい。」


余りに胸を突き刺す衝撃の言葉に苦しくなるが、興奮して泣きながら叫ぶ柚に近づきギュッと抱きしめた。


「柚?そんな事言うな…お前が死んだら、俺はどうすれば良いんだ?」


柚の苦しみや悲しみ、不安、絶望が分かり柚を抱きしめる腕が震える…


「翔兄ぃ…」


柚が名前を呼び俺を見た。俺の頬には気づかないうちに涙が流れていた。俺が泣いているのを見た柚は、驚いた顔をして俺の濡れた頬に触れてきた。


「翔兄ぃ?」


不安そうな表情の柚がすぐ傍にいる。


「柚…お前が死にたいなら俺も連れて逝け…俺はお前と一緒に居てお前を守る。だから一人で逝くな…」


俺の言葉に柚は涙を溢し首を激しく横に振る。





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