溺愛〜ラビリンス〜
俺が柚に謝って説明をしていると、横で爽達が面白そう俺と柚の事をに見ている。
「翔真が謝ったぞ!」
完全に面白がっている爽達を睨みつけた。途端に部屋は静まり返る。
「翔兄ぃ?」
柚が俺の顔をジッと見つめ、話しの続きを待っていた。俺は覚悟を決めて柚に話し始める。
「柚…俺の大事なものは…昔から柚だけだ…」
シーンと静まりかえる部屋に柚の小さい声が響いた。
「えっ?」
驚いて目を見開き、戸惑った様子だったがすぐに何か気づいた様で反論する。
「翔兄ぃ…大事な物って私なの?だけど…爽くんは私の事取ろうとなんてしてないよ?…何で嘘つくの?」
正直に言ったのに信じないのかよ…嘘なんかついてねぇよ!
「柚…嘘は言ってない。爽はお前に抱きつこうとした。それは俺にとって柚を取ろうとした事と同罪だ。」
「そうなの?」
「柚ちゃん…翔真の話しの意味分かったの?」
「……うん…渉くん…翔兄ぃが私の事大事にしてくれているのは分かってたけど……翔兄ぃはもっと自分の事を考えた方が良いと思うんだけど…妹の事ばかりだと彼女ができないでしょ?」