溺愛〜ラビリンス〜
「翔兄ぃ?私も翔兄ぃの事好きだよ?」
私が翔兄ぃに答えると翔兄ぃは少し顔を歪める。
「柚?俺は…男として女のお前を好きなんだ…」
真っ直ぐに私を見つめて言う翔兄ぃの言葉にビックリして大きな声をあげてしまう…
「えっ?!」
私が驚いて固まっていると心配して翔兄ぃが私の名前を呼んだ。
「柚?」
その声で我に返って翔兄ぃを見る。私の耳がおかしかったのかな?そんな訳ないよね?きっと聞き違いだよね?おそるおそる翔兄ぃに聞く。
「翔兄ぃ?それって…恋愛感情の好きなの?」
翔兄ぃは私を見つめたままハッキリと答える。
「そうだ…」
そんな…
「…だって…私達、兄妹だよ?」
翔兄ぃの告白は驚きと嬉しさと不安と安心と…色々な気持ちが溢れて止まらなかった。私の声は小さくなってしまう…
「柚…あのな?俺達は…」
翔兄ぃは何か言いかけて迷って不安そうな顔で… 間を置いて決心したのか話し始めた。
「俺達は本当の兄妹じゃない。本当は…いとこなんだ…」
えっ?どういう事…?
「えっ……嘘…」