溺愛〜ラビリンス〜
「あなたは私の妹の子供だったの…あなたを産んだお母さんはね…あなたを産んで間もなく産後の肥だちが悪くて亡くなったの…」
お母さんの妹? じゃあ、まるっきり血の繋がりがない訳じゃないんだ…そう言えばさっき翔兄ぃもいとこって言ってた…
「満姫(みつき)って名前でね?可愛い子だった…私とは歳が5歳離れていたから兎に角可愛いかった。あの子が高校生の時、私が結婚する事になって家を出るんだけど満姫が嫌だって泣いてたのが昨日の事みたい…」
お母さんは昔を思い出して懐かしんでいる様だった…
「そんなあの子が恋をしたって知ったのは私が翔真を産んですぐの頃だった…相手は2つ上の高瀬仁也(たかせじんや)くんて言って友達のお兄さんの親友で友達の家で知りあったらしいわ…そしてあの子が大学に入って間もなくの時、妊娠した事が分かった。みんなまだ若い二人に子供を産んで育てるのは無理だって思った。でもね、あなたの本当のお母さんは絶対に産むって言ったの…」
私の本当のお母さんは私が生まれる事を望んでいたの?私の目から涙が溢れた。お母さんは私の手をギュッと握って話しを続けた。