溺愛〜ラビリンス〜

携帯を見ると大量の着信…どうしよう…電話かけるの怖い…恐る恐る翔兄ぃに電話をする。呼び出し音がしてワンコールで出た。


『柚！』


「はい！ごめんなさい。」


余りの勢いに返事をしてすぐに謝ってしまった。

『無事なんだな？』


翔兄ぃはホッとした様な声で聞いてくる。


「うん…」


『今どこにいる？』


「家…」


『家に帰ったのか？一人じゃないんだな？母さんいるのか？』


心配しているからだと思うけど質問し過ぎ…そんな事今絶対に言えないけど…


「うん。さっきまで話ししてた…ごめんなさい。勝手に帰って来て。」


『ハァ…』


翔兄ぃは私の返事を聞いてため息をついた。


『翔真？柚ちゃんいたんだな？』


渉くんの声が聞こえる。もしかして…みんなで探してたのかな…多分…ううんきっとそうだ。どうしよう…


「翔兄ぃごめんなさい！後でちゃんと自分でも言うけど、みんなにもごめんなさいって言っといて？」