溺愛〜ラビリンス〜
折沢 渉 side
「柚?とにかく俺に女はいない…分かったな?嘘じゃないから信用しろ?」
翔真が必死で柚ちゃんに言い訳をしている。俺の言葉に柚ちゃんが変な誤解をしてしまったせいなんだけど…この二人にはちょうど良い薬のような気がする。
とはいえ柚ちゃんが混乱する原因作ったの俺だから、何とかしないと翔真に殺されるな…
「柚ちゃん、翔真にとって柚ちゃんだけが大事な存在なんだよ?だから…翔真に彼女作れとか言っちゃダメだよ?」
取りあえず柚ちゃんが翔真に絶対言っちゃいけないセリフを阻止。このお姫様にはきちんとストレートに言わないとね?
それでも柚ちゃんはまだ納得がいかない様だ…ここは二人にして話しをさせるしかないだろ。
俺は翔真の話しを聞くように言って凌達を連れ部屋を出た。
一時間位時間が経つ…翔真達はまだ幹部室だ。そろそろ様子を見に行った方が良いか?爽達も心配そうにしている。
俺は一人で幹部室へ行きノックしてドアを開けた。部屋には翔真だけでソファに凭れかかって座っていた。
「翔真?どうだった?」
「あぁ…全部話した。やっぱりショックだったみたいだ…」