溺愛〜ラビリンス〜
三人はそれぞれ
「あぁ…」
「「おはよう」」
と挨拶を返した。
女子からキャーキャーと煩い悲鳴があちこちから聞こえ、騒々しい状況の校門に翔真さんの普段では聞けない優しい声が響く。
「柚?」
一瞬の間を置き柚が車から出てきた。
おどおどした様子で周りを気にしながら、車を下りて翔真さんの背後に隠れてしまう。
今朝の雰囲気はいつもと違うから、久しぶりの学校に余計に不安になってしまったみたい…
私は群集から抜け出して柚に近づく。
「おはようございます。」
私の方を渉さんと凌さんが見て挨拶を返してくれる。
「「亜莉沙ちゃんおはよう。」」
挨拶を返していると、翔真さんが声をかけてくる。
「おはよう悪いね?」
「おはようございます。
」
私は挨拶だけ返した。
私達が会話をしていると、翔真さんの後ろからひょこっと柚が顔を出して私を見ると笑顔になる。
「亜莉沙!おはよう?」
と挨拶しながらこちらに向かって来た。その様子にホッとした表情をする翔真さん達…
「亜莉沙ちゃんよろしく頼む。」