溺愛〜ラビリンス〜

翔真さんが私に話しかけた時、背後からいつもの能天気な声が聞こえてきた。


「リサっちおはよう!」


さっき車と一緒に来たバイクは爽さん達だったんだ…
そう言えば健人さん達特攻隊の人達は私が来た時には既にいて、朝早くから翔真さん達が来る前に警備体制を整えて準備をしていたみたいだった。


「おはよう。爽さん?」


挨拶を返すと爽さんの視線は柚に移った。


「ユズユズ行こっか?」


爽さんの元気な声に押される柚。


「うん。」


「柚。大丈夫か?」


心配そうに聞く翔真さんに笑顔を返す柚。


「大丈夫。じゃあね?」


そう言って柚は歩き出した。私も翔真さん達に頭を下げて柚の後を追う。

「爽、気抜くなよ?」


警備をしている健人さんが声をかけてくる。


「大丈夫!」


爽さんは軽く答えて歩を進める。


「ユズユズ?久しぶりの学校どう?緊張する?」


余り緊張感のない様子の声で柚に話しかける。


「爽くん…ちょっと緊張したけど、爽くんの明るいいつもの雰囲気にホッとして緊張ほぐれた。ありがとう…」





< 251 / 671 >

この作品をシェア

pagetop