溺愛〜ラビリンス〜
爽さんの言葉に柚は少し緊張が解けたようだった。
「ありがとう…みんな。取りあえず教室入ってみる。ユウくん…もし駄目だったら一緒に帰って?」
柚が笑顔でそう言った。いつもの柚の笑顔にみんなホッとしている。
「分かった。柚が教室入って暫くは廊下にいてやるからな?」
黒王子は優しい眼差しを向け、柚の頭に手を乗せポンポンとした。
「じゃあね?」
黒王子と爽さんにそう告げて、柚は教室の入口に向かう。
「爽さん何かあったら連絡します。」
そう言って私も柚を追って歩き出す。
「うんよろしくね?」
爽さんの声を背後に聞きながら、柚に追いつき一緒に教室に入った。
「柚ちゃん、亜莉沙ちゃんおはよう!」
教室に入ると有希が既に登校していて、私達を見つけ慌てて飛んで来た。
「おはよう有希。」
私が挨拶して柚も続く。
「おはよう。色々ありがとう。」
「ううん…柚ちゃんがまた学校来て三人で話しできて嬉しい。」
ウルウルした目で言う有希…あーこういう所が同性から見ても可愛いいな。やっぱり姫やってる子は違うって思う。柚もそうなんだけどね?私のまわりは守ってやらなきゃならない子ばかりだわ…