溺愛〜ラビリンス〜
昼休みになって私と有希がお弁当を広げ様とすると、柚が一緒に食べようと言った。今まで翔真さん達と食べてたのに…
「ユズユズ!迎えに来たよー!」
教室内に大音量の爽さんの声が響き渡った。
「爽くん!今日は亜莉沙達も一緒で良い?」
柚が笑顔で爽さんに聞く。
「良いよ。屋上に行こう?リサっちもユウユも行くよ?」
爽さんは、柚の手を引いて私達に声をかけられ、有希と二人慌てて後を着いて行った。
キャーキャーと騒々しい女の子達の奇声を聞きながら、廊下を歩き階段を昇って屋上に来た。
「翔兄ぃお待たせ!ごめんね?待たせて…」
屋上に到着して、柚が翔真さんにかけよる。翔真さんは柔らかな微笑みを浮かべ柚を見つめる。
「大丈夫だ。そんな待ってない。」
貴重な顔見ちゃったよね?私そんな翔真さんファンって訳じゃないけど…今の笑顔はファンが見たら鼻血モノだわね…柚にしか見せない表情なんだろうけど…
奥の方に行くと椅子がいくつか置いてあった。座る所が決まっているのか柚は迷う事なく椅子に座った。