溺愛〜ラビリンス〜

「亜莉沙ちゃんご苦労様…ありがとう。」


健人さんは私に声をかけ柚に視線を向ける。


「ユズ姫?今日は何もなかった?」


探るような視線を向けて柚に聞く健人さん。途端にその場の空気が変わった。健人さんはそれに気づき警護くん達を見る。
何か言うのかと思ったけど、健人さんは何も言わなかった。


「ユズ姫、翔真が心配して待ってるから行こう?お前等も来い。」


そう言うと健人さんは私と有希の方を見て


「二人共ありがとう。じゃあね?」


と声をかけ歩き出した。柚も振り向き私達に挨拶して教室を出て行く。


「亜莉沙、有希また明日ね?バイバイ。」


「「ハーッ…」」


柚達が出て行った教室で私と有希のため息が重なる。ドッと疲れを感じる…

この後、警護くん達は健人さんや翔真さんに報告をしたり、もしかすると怒られたりするのかもしれない…


「…疲れた。」


私が呟くと有希が笑顔で


「亜莉沙ちゃんご苦労様…明日も頑張ろうね?」


と言った。


「有希…そうだね。有希も怖い思いしたのに頑張ったね?ありがとう。」





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