溺愛〜ラビリンス〜
それを聞いた柚ちゃんはびっくりした様子で周りを見回し、諦めた様に小さくため息をついた。
翔真が話し始める。
「うちのチームの姫になる柚姫だ。」
俺達に向けて翔真が柚ちゃんを紹介すると、
「えっ!」
声を上げたのは柚ちゃんだった。その声に今度は俺達が
「「「「えっ?」」」」
と声を上げる。
「翔兄ぃ、姫って何?どうして私ここに来たの?」
不安そうな声で聞いている。
翔真、姫になる事を柚ちゃんに話してなかったのか?柚ちゃんかわいそうに……
「翔真、話してなかったの?」
凌が驚いた様に聞く。
「あ?」
翔真が何言ってるんだという様に凌を見る。そして柚ちゃんの方を向き
「柚、姫っていうのはチームで守る女の事だ。柚は別に何もしなくていい。俺達に守られていればいい。わかったか?」
おいおい翔真さん、今説明かよ。
「私、守ってもらわなくても大丈夫だよ。」
「ダメだ。」
翔真は低い声で断固とした言い方で柚ちゃんに否定した。