溺愛〜ラビリンス〜

言われて気づく。確かにアイツが一番邪魔くさい存在かもしれない。上森、俺達の事良く見てんな…


「フッ…そうだな?」


俺が認めると上森は面白そうな顔をする。


「健人さんも柚に何かあったの分かっても、今のあんたみたいに慌てる事もなくて何も警護くん達や私に問いたださずに柚を連れて行ったわ。」


「…そうか。アイツの事だ柚の前では何でもない振りして影でソイツ等に問いただすだろ…当然、翔真達の耳にもすぐこの事は入るだろうな…それに…」


「何?」


「いや…」


「言ってよ!そうじゃないと私もあんたに協力しないわよ?」


「ハァ…分かった。下の奴等が翔真に話し通せって言ったんだろ?淳稀は必ず動く。」


「えっ!」


「何だ?意外か?」


「だって…鷹宮がそんな事するって想像できないから…」


「フッ…そうだな。普段のアイツは何考えているのか分からない所があるし、器用に何事も軽くこなして無駄な事や面倒な事は避けて生きている感じだからな…」


「うん…」




< 283 / 671 >

この作品をシェア

pagetop