溺愛〜ラビリンス〜

黒田 爽 side


今日は朝からユズユズを巡って白王子と黒王子が揉めて大騒ぎになったらしい。

お陰で我等が総長様は機嫌が悪く大変。


渉から連絡を受けて俺は翔真達より先に学校へ向かう事になった。



学校に着き教室に行こうかと思ったけど、今は授業中…やっぱりサボろう。


いつもの様に屋上に向かうとタバコを吸いフェンスに凭れてた健人がいた。

健人は同じ二年でブラックホークスの特攻隊長、俺達は小学校からの付き合いの幼なじみ。

ちなみに俺は親衛隊長。本来なら今朝ユズユズと登校するのは、親衛隊長の俺である筈なのに翔真が健人を指名した。

いつも翔真と登校するユズユズと一緒に登校できるなんてなかなかないチャンス。何とか食い下がってユズユズと登校しようとしたが、翔真に却下され健人がユズユズと登校した。

そしてこの事態。やっぱり俺と行った方が良かったんじゃない?


「お疲れ!」


声をかければ振り向く健人。


「何か大変だったみたいだな?」


と話しかければ、


「あぁ。」


不機嫌そうに返す健人。
コイツ落ち込んでるのか?


「ユズユズは無事なんだから気にするな。」


肩をポンと叩きタバコを取り出し火をつけた。





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