溺愛〜ラビリンス〜

爽はそう言うとユズ姫を連れて出て行った。二人が出て行った部屋は静まり返っていた。


「どうした健人?」


口火を切ったのは渉だった。翔真と凌が俺をジッと見ていて話すのを待っている。


「鷹宮がユズ姫に接触したそうだ。同じクラスの奴等はすぐに対応できなかったらしい。」


俺は警護の奴等から受けた報告内容を話した。


「ハァ…まあ仕方ないか。同じクラスだからな…」


渉が言うと、翔真は眉間に皺を寄せて舌打ちをした。



「それでユズ姫の様子はどうなの?」


凌が心配そうに聞いてくる。


「あぁ…警護の話しだとこの事を俺達に話さないで欲しいって頼んだらしいけど、アイツ等に説得されて諦めたみたいだ。俺が迎えに行った時にはさっきの様子と同じだったな…」


「そうか…」


凌はホッとした様子を見せ、渉が俺達に向かって


「今後の事を考えるとクラスの中をどう警護するか考え直さないといけないか…」


と言った。


「その事なら爽が指示して3交代制で警護する様にさせた。詳細は警護達から報告させる。」





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