溺愛〜ラビリンス〜
何が何でもキングの許可を得なくては…携帯を取り出し電話をかける。5コール目で相手が出た。
「もしもし?」
『あぁ…どうした?珍しいな…電話してくるなんて。』
「ちょっと頼みたい事があってね…」
『…そうか…』
「キングの携帯番号を知ってたら教えて欲しいんだ。」
『ッツ…』
電話越しに息を飲むのが分かった。
「…頼む。」
少しの沈黙の後、僕に聞いてくる。
『…柚絡みか?』
「うん。柚ちゃんと話しをしたいなら、キングに話しを通せって言われた。」
『…そうか。』
「悠斗、知ってるんだろう?」
『あぁ…』
そして悠斗はキングの携帯番号を教えてくれた。
「ありがとう。」
『いや…いい。』
「じゃあ、またな?」
『あぁ…』
悠斗との電話を切り、手に入れた番号にすぐかける。数回コールした後、キングが出た。
「鷹宮です…」
『…』
「キングですよね?」
『…あぁ。』