溺愛〜ラビリンス〜

何が何でもキングの許可を得なくては…携帯を取り出し電話をかける。5コール目で相手が出た。


「もしもし?」


『あぁ…どうした?珍しいな…電話してくるなんて。』


「ちょっと頼みたい事があってね…」


『…そうか…』


「キングの携帯番号を知ってたら教えて欲しいんだ。」


『ッツ…』


電話越しに息を飲むのが分かった。


「…頼む。」


少しの沈黙の後、僕に聞いてくる。


『…柚絡みか?』


「うん。柚ちゃんと話しをしたいなら、キングに話しを通せって言われた。」


『…そうか。』


「悠斗、知ってるんだろう?」


『あぁ…』


そして悠斗はキングの携帯番号を教えてくれた。

「ありがとう。」


『いや…いい。』


「じゃあ、またな?」


『あぁ…』


悠斗との電話を切り、手に入れた番号にすぐかける。数回コールした後、キングが出た。


「鷹宮です…」


『…』


「キングですよね?」


『…あぁ。』




< 302 / 671 >

この作品をシェア

pagetop