溺愛〜ラビリンス〜
キングが次々と恐らく自身が心配している事をぶつけてくる。信用してもらえないのも自分のせいだ。僕は真摯な気持ちでキングに答えた。
「それは…絶対にしないって誓う。そう約束する事しか、表す方法が見つからないけど…もう柚ちゃんを傷つける事も悲しませる事もしない。したくない…やっぱり柚ちゃんの笑顔が見たいから…」
『フッ…やっとその事が分かったのか?最近の柚は必死で明るく、以前と同じようにと努力している。でも無理をした笑顔だ。柚から笑顔を奪ったのはお前だ。簡単に微笑んでもらえるなんて思うな?』
キングが少し嘲るような口調で言う。
キングも恐らく悠斗もその事をずっと分かっていて柚ちゃんを大切にしてきた。その事に気づいていなかったのは僕だけだったって事か…悔しい気持ちを押さえ返事を返す。
「…分かってる。」
『さっき言った事に偽りはないな?』
「ない!」
『だったら柚が大丈夫だと俺が判断した時、話しをさせる。それまではそっとしておいてやってくれ。』