溺愛〜ラビリンス〜

キングの言葉に柚ちゃんの傷の深さを思い知って胸が痛む。自分の罪を痛感して苦しいが、僕より柚ちゃんの方が苦しんでいるんだ。僕は柚ちゃんの為に何でもしなきゃならない。それが待つ事でも…


「分かった。それが柚ちゃんと話しをさせてもらえる条件ですね?」


『あぁ…』


「感謝します。大丈夫だって判断したら連絡をもらいたい。」


『…分かった。最後に言っておく。お前が約束を守らなかった場合、今度は全力で潰す。柚の事を思って今回は事を荒立てなかったが、二回目はない。分かったな?』


キングが本性をむき出しにした本音をぶつけてきた。キングは柚ちゃんを守る為なら何でもする…本気なんだろう。僕はキングの言葉に素直に返事を返した。


キングとの電話を終えて疲労とそしてやはり敵わないという悔しい思い。


「ハァ…」


ため息をついて目を閉じる。兎に角、僕にできる事はやった。後は柚ちゃんの気持ち次第…待つしかない。その日がくるまでじっと耐える事を心に誓った。




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