溺愛〜ラビリンス〜
やっと車が到着してユズユズが元気良く車から出て来た。
「ユズ姫、昨夜は良く眠れた?」
凌が聞くとユズユズは笑顔で答える。
「うん良く眠れたよ?でもね、早く起きたからいつもより睡眠時間は短いかな?」
「えっ?早く起きたの?その割りには来るの遅かったね?」
俺がツッコミを入れると、ユズユズは頬を膨らませる。
「みんなの分のお弁当を作ってたから遅くなったの!」
「ユズユズお弁当作ってくれたの?」
俺は嬉しくて声をあげる。
「作ってきたよ?後でみんなで食べようね?」
「やったー!」
俺が喜んでいると健人が
「ガキか?」
と馬鹿にしたように言う。
「ユズユズのお弁当、嬉しくないのかよ?」
頭にきた俺がそう言うと、健人はプイッと横を向いた。
「嬉しいよ。」
「なーんだ健人も一緒じゃん!」
健人の返事に俺が言うと健人が速答で返す。
「一緒にすんな!」
酷くない?
俺達が言い合いをしていると渉が怒鳴る。
「いい加減にしろ!」