溺愛〜ラビリンス〜
悔しいから言い返すと横から凌が仲裁する。
「おい止めろよ。渉が怒ってるぞ?」
渉の方を健人と二人で見ると、般若のような顔をした渉がいた。
ヒィ…こえぇ
逃げようとする俺の腕をつかみ離さない健人。何すんだよ!俺が睨むとニヤッと笑う。
俺と健人がまた押し問答を始めると低い声が響いてくる。
「爽、健人いい加減にしろ!」
「「はい!」」
渉に思わず声を揃え返事をする俺達…
「まったく…どうしてお前達は寄るとそうなるんだよ?ハア…」
渉はため息をつくと車に乗り込みドアを閉めた。
「今日はもう渉を怒らせるなよ?」
凌が俺達に呆れ顔で言った。
俺のせいじゃないのに!健人の奴が俺の事からかったりイヤミ言ったりするからこうなるのに、何で俺まで怒られるんだよ?
納得いかない俺は剥れていると馬鹿健人が嫌味を言う。
「爽のせいで俺まで怒られた。」
ハァァ?俺のせいだと?ふざけんな!
「ふざけんな!健人のせいだろ?こっちこそ迷惑だ!」
俺は頭にきて怒鳴った。
「おい!止せ。渉が睨んでるぞ?」
ハッ!