溺愛〜ラビリンス〜

「姫やりますから。」


下の奴等が手伝って荷物を下ろした。


「ありがとう。」


全部降ろし終わるとユズユズは満足したようにニッコリ笑った。


「お待たせ!さあ行こう!」


荷物を乗せた台車をユズユズが押そうとしたけど、翔真に取り上げられてしまった。押そうと思っていたらしいユズユズは剥れていた。


「一番足が遅い奴がそんな事してたら、みんなの迷惑になる」


翔真にそう言われ、渋々諦めたようだった。


台車を翔真が少し押していたが、あまりにも注目を浴び過ぎる事もあり、すぐは下の奴が押す事になった。


ユズユズはというと、さっき駆け出して転びそうになり間一髪、渉が間に合って転けるのを回避できた。

翔真に怒られたユズユズは、歩く時は手を繋ぐという小学生の登校のようなルールを言い渡されてしまった。

少し文句を言っていたユズユズだけど、諦めて大人しく翔真と手を繋いで歩いている。
翔真達の後ろを俺は歩いているけど、その後ろ姿はまるで、ラブラブバカップルのようだ。

まぁ、そんな事を翔真に言ったら命がないから言わないけどね?




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