溺愛〜ラビリンス〜
「まずはあれ!」
ユズユズが指指したのは、さっき乗りたがっていたブランコ型の乗り物だった。
「だからあれは一人で乗るからダメだ。」
翔真はすぐにダメ出しした。
「翔兄ぃ、みんな乗ってるんだよ?見てよ私より小さい子だって乗ってるじゃない!」
ユズユズは希望する乗り物を指指し、その先を見ると確かに小学3、4年生位の子も乗っていた。
「翔兄ぃは過保護過ぎだよ!」
ユズユズは憤慨した様子で翔真に言葉を浴びせる。翔真は言葉を返せずに黙ってしまった。
「私乗るからね?爽くんも乗らない?」
勝ったと感じたユズユズが、翔真の返事を待たずに俺を誘ってきた。
チラッと翔真を見ると俺を睨んでいる。止めてくれ!何で睨むんだよ!俺のせいじゃねぇだろ?
渉を見るとやれやれといった視線を向ける。どうすりゃ良いんだよ?目で聞くと、渉は苦笑いをする。おい!他人事だと思ってんだろう?
「渉くんもどう?」
ユズユズは渉にも話しをふる。渉が顔を引きつらせているのを見て、ザマみろ!と心の中で笑ってやった。