溺愛〜ラビリンス〜
渉は降参したようにこの場を収め始めた。
「柚ちゃん…どうしても乗りたいの?」
「うん。私ずっと乗ってみたかったの!」
凄い笑顔で目を輝かせているユズユズに、もう誰もダメと言って止める事はできないと確信する。
「そっか…」
渉はチラッと翔真を見た。
「ハーッ…」
翔真は大きなため息をついて諦めたようにユズユズに話しかける。
「仕方ないな…乗ってる間、絶対に手を離さないんだぞ?危険な事もするなよ?」
やっぱりユズユズには敵わないんだな…翔真…
ユズユズのあの笑顔に負けちゃったか…
それにしても翔真は相変わらずユズユズに対して心配症だ。
「うん。」
笑顔で返事をするユズユズ…
「じゃ俺も乗ろう。」
渉がサラっと言った。話しが決まったらとっとと名乗りを挙げるなんて汚ねぇ奴!
「ユズユズ行こう!」
俺はユズユズの手を取り目的の乗り物に向かった。
結局ブランコの乗り物には、ユズユズと俺と渉それと数名の下の奴が乗った。