溺愛〜ラビリンス〜
そりゃ惚れてるからだろ!分かってないな……ユズユズってやっぱ天然だ…もしかして…まだ翔真の気持ちは伝わってないのか?
「そうして?頼むよ…でも翔真の気持ちも分かってやって?柚ちゃんが好きだから心配するんだよ?柚ちゃん分かってるよね?兄としての好きじゃないよ?」
「…うん。分かってる。ちゃんと翔兄ぃから言われたから…渉くん…ありがとう。翔兄ぃは大事に思っているから心配してくれたんだよね…」
ユズユズ…何か少し大人になったな?今までただの天然少女だと思ってたけど…
「フッ…柚ちゃん?翔真には我が儘言って甘えて良いんだよ?むしろ甘えた方が、翔真は嬉しいんだから…」
「私みんなに迷惑かけてない?」
ユズユズが不安気に聞いてくるので、俺も渉も慌ててしまった。
「柚ちゃん…」
「ユズユズ…」
俺と渉の声が重なる。
「迷惑なんてかけてないだろ!」
俺が慌てて言う。
「そうだよ?柚ちゃんはそんな事気にしないで?逆に柚ちゃんが遠慮したり、暗い顔してる方が俺達には迷惑だよ?翔真の機嫌が悪くなるからね?」
渉も諭すように言う。確かにな…渉の言う通りだ。