溺愛〜ラビリンス〜
「柚…まだ乗るのか?」
翔真が困った顔をして聞くがユズ姫は全然気にする事なく、当然のように言う。
「何言ってるの!まだ一つしか乗ってないのにこれで終わりの訳ないでしょ?」
「ハーッ…仕方ないな。次は何乗りたいんだ?」
翔真は遊園地来てからユズ姫に折れてばっかりだな?みんなが苦笑いしながら見ている。
「えっとね…あっ、あれ!」
ユズ姫が指差したのは、この遊園地にあるジェットコースターの中でも一番怖いと言われているものだった…
「ユズユズ…あのさ、大丈夫なのか?」
爽が流石に心配になったらしく聞いている。健人も傍で心配そうな様子で成り行きを見ている。
「何が?」
みんなの心配を余所に、ユズ姫は訳が分からないというように首を傾げ聞き返した。
「ジェットコースターなんて乗って大丈夫?怖くなっても途中で止められないよ?」
「ヤダ、爽くん…止められないのは当たり前じゃない!大丈夫だよ?私、結構スピードある乗り物好きなんだよね?今度バイクに乗ってみようかな?」