溺愛〜ラビリンス〜
とんでもない事を言い出すユズ姫…そんなの翔真が許す訳ないから!
「ゆ、柚ちゃん、バイクは危ないから止めようね?」
同じ事を思った渉が慌てて止める。
「どうして?みんなだって乗ってるじゃない!私は運転できないから、後ろに乗せてもらうしかできないけど…乗ってみたい!」
「柚ちゃん…」
「柚バイクはダメだ!」
翔真が珍しくユズ姫に声を荒げた。
「翔兄ィ!」
ユズ姫は頬を膨らませている。
「柚、いいか?バイクは危ないの分かるだろ?柚は女の子なんだから、怪我でもして傷ができたらどうするんだ?」
「翔兄ィ…」
「バイクは絶対ダメだからな?」
ユズ姫の頭に手を乗せた翔真はそう言ってユズ姫と見つめ合った。
「…分かった。確かにバイクってシートベルトないから危ないよね?」
ユズ姫がバイクを諦めてくれて、ホッとした雰囲気が広がる。
でも…バイクにシートベルトって…どんな発想だよ?
「シートベルトのついてるバイクが有れば良いのにね?」
ユズ姫…そんなバイク絶対誰も乗らないから…まったく、このお姫様の考える事は分かんないな…