溺愛〜ラビリンス〜
「そっか…分かった。じゃあ、一緒に乗るのは翔兄ィと爽くんね?」
嬉しそうに言うユズ姫… みんなが喜んでいると思っているみたいだけど、ジェットコースターを喜んでいるのは、ユズ姫と爽くらいだから…誰もそんな事言わないけどね?
「早く行こう!」
ユズ姫は目をキラキラさせて、翔真と爽の手を引っ張って目的の場所に向かう。
翔真は心なしか顔が青い気がする…
俺達も三人の後を追った。
ジェットコースターは人気があって人が結構並んでいた。
そこに並んだ三人に続き、下の奴も三人程乗る為にその後ろに並んだ。多分、絶叫系が大丈夫な奴が乗る事になったんだろう。
俺達待機組は近くのベンチに座りユズ姫達の様子を見ていた。
並んでから30分位経った頃、ユズ姫達の順番になった。
ユズ姫は乗る前からキャーキャーとはしゃいでいる。本当に元気になったな…まるっきり元通りではないけど、日に日に明るくなっている。
今日こうしてみんなで出かける事になったのも、ユズ姫がここまで元気になったからだ。
ジェットコースターに乗り込むユズ姫…当然、隣には翔真が座った。